水口結貴 消費者問題研究会 の日記
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違法効能宣伝も。「水素水」に注意を
2017.06.04
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こんにちは。
消費者問題研究会です。
最近、インターネット上で多く宣伝されており、購入サイトなどが見られる「水素水」について、国民生活センターが「違法とみられる表示や広告が目立つ」と注意を呼びかけています。
「水素水」は、芸能人などが自身のブログなどで紹介してブームとなっていました。
例えば、水素水を販売していた会社のサイトでは「ダイエット効果」や「抗炎症作用」など医学的根拠がないにもかかわらず、あたかもこうした効果があるかのようなに表現がされていました。水素水に関しては、過去に問題の多い商品が多くありました。
例えば「マイナスイオン水」や「ミネラル還元水素水」などが、公正取引委員会から排除命令を受けていた例があります。また、水素水には「活性酸素と結合して無害な水にする」といううたい文句が多く見受けられます。
しかし、こうした反応が生体内で起こるという医学的根拠はありません。
さらに水素水の商品の中には全く「水素自体を含まない」ものなども多いようです。
水素水は水分補給としての摂取には良いものの、がんの予防や改善などの効果は全く根拠がないようです。また商品の中には、法律で禁じられている健康効果をうたうだけでなく、水素そのものが検出されなかった製品もあるようです。
飲料や食品は、医薬品医療機器法や薬事法などで健康効果をうたうことを禁じられています。しかし水素水や水素水生成器についての商品では、健康への効果をうたう文言が多く見受けられます。
例えば、以下のような宣伝文句で消費者にアピールしていた会社がありました。
「最先端のアンチエイジング」、「老化や病気の原因となる悪玉活性酸素を消去」、「痒(かゆ)い部分に水素水をつけて」など。
このような状態を受けて国民生活センターでは、特に売上が多いとみられる容器入り水素水と生成器の19商品について、表示や広告の表現を調査しました。
結果、13商品でパッケージや販売サイトなどで「健康効果と受け取れる」表現があった、ということです。
このような表現は、例えば「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」なら可能です。しかし、水素水で許可、届出をされたものはありません。
そのため国民生活センターは、健康効果をうたう事業者に表示の改善を求めました。
消費者庁による調査では、それぞれの水素水に実際に溶け込んでいた水素の濃度を測りました。
その結果、開栓直後の容器入り水素水では、濃度の表示があった7商品のうち3商品で表示値の約85%~半分以下だった、ということです。(※)
※3回の測定で全て
そのほか濃度表示のない商品では、水素が全く検出されないものもあった、ということです。6商品の表示には「製造や出荷の際の濃度」という注意書きがありました。
このような調査を受け消費者庁では、健康食品の水素水を販売している会社が宣伝に使っている「うたい文句に根拠がない」として、景品表示法違反で再発防止の措置命令を出しました。
健康食品を選ぶにあたっては、例えば次のようなことに注意をするとよいかもしれません。
1.テレビなどで宣伝していることと商品の有効性は無関係である
2.販売会社の中に医師や看護師、薬剤師やなどの医療職がいる、もしくは健康相談の窓口を持っている
3.販売会社の中に研究部門があり、製品の安全性や有効性を研究している、研究結果等の情報を公開している
また健康の基本はバランスのとれた食事と運動です。健康食品はあくまで健康を維持するための「補助」的な手段として考えたいものです。